
鵜野 文郎
大角豆事業所 生活支援員
なぜ「ユアフィールドつくば」に興味を持ったのか、入職経緯などを教えてください
大学卒業後、都内の警備会社に就職しました。経営管理やコーポレート部門を中心に、法人営業、金融・リース、そして少し変わったところでは都内の国立博物館のセキュリティ業務にも携わりました。海外の王族コレクションを展示する際、フランスの保険会社と緻密な安全計画を作り、プロジェクトを成功させた経験は、今でも印象に残っています。
一方で、東日本大震災をきっかけに日本の地方や地域に目を向けるようになりました。「地球の仕事大学」という全国各地のローカルな働き方を体験しながら学ぶ講座の3期生として、北海道から沖縄まで各地を巡りました。そうした経験の中で、グローバルからローカルへ軸足を移したいという思いがどんどん強くなっていき、55歳で退職を決断しました。
そのような中、牛久で働く妹がユアフィールドつくばを知っていて、おもしろい仕事をしている所だと教えてくれました。ホームページを見たところ、「ごきげんファーム」という名前の響きがとても素敵だなと思いました。また、法人名に使われている「ユアフィールド」にも、どんな人にも居場所があるという意味を感じさせてくれて、一気に興味が湧きました。
求人が出ていたので、早速応募させてもらいました。養鶏場などの現場の見学もさせていただき、面接を何度も重ねました。その様子から丁寧に人を選び、そして人を大切にする、それが私が感じた法人の第一印象です。
現在の仕事と大切にしていることとは?
現在は顧客管理の仕事を担当しています。畑から届く収穫予定の野菜情報をもとに、出荷チームへの指示出し、お客様への出荷野菜の案内、野菜セットをご購入いただいているお客様対応、飲食店への野菜セット営業、マルシェへの出荷調整など、畑とお客様をつなぐ調整役です。
入職当初は生活介護事業所「みのりガーデン」の利用者さんが作業するハーブガーデンの立ち上げに関わりました。トラクターを運転する可能性があるので、大型車両免許を取得させてもらいました。「自分の居場所を作ってもらったんだな」と実感できて、とても感慨深かったです。その後、ごきげんファームの畑やサテライト型のグループホームでの支援、そして今は顧客管理と、半年ごとにいろいろな仕事を経験させてもらっています。
仕事は変わっても、自分が大切にしていることは「よく観察すること」、そして「距離感を大切にすること」です。幼少期、父の仕事の関係でアメリカで過ごしました。1980年代の治安が不安定な時代のことで、クラスに日本人は自分一人という環境下で現地の学校に通い、文化の違いを肌で感じました。そのような中で人と上手くやっていくために、相手の状態や関係性のバランスをじっとよく観察してから言葉や態度に出す、という習慣が自然と身についたように思います。
この法人に入って、その習慣が福祉の現場で役立っていると実感しています。利用者さんはそれぞれ特性も違いますし、言葉ひとつ、距離感ひとつで関係性が大きく変わります。特に新しい方と関わる時は、数か月間は特に慎重に、じっくりと関係を築いていくようにしています。

担当業務のやりがいは何ですか?
利用者さんとの距離感が縮まってきて、人間関係が築けてきたと感じる瞬間はやりがいを感じます。毎日顔を合わせる中で、「今日こんなことがあったよ」「あれが欲しいな」「これがしたい」と、日常のたわいもない会話をしてくれるようになったとき、支援する側・される側ではなく、同じ場にいる仲間として受け入れてもらえているんだなと、素直に嬉しくなりますね。
また、畑の作業をしていると作物が大きくなってきて無事に収穫できた時や、ハーブガーデンが出来上がってみんながそこで働くようになった時などは達成感があり、シンプルに嬉しいです。
印象に残っていること
放課後等デイサービス「ブルーフロッグ」の子どもたちに、畑の収穫体験をしてもらうアテンドをした時のことです。代表から「今日はどんな野菜を収穫予定ですか」と聞かれ、私は余剰気味な作物を中心に収穫してもらおうという、農業的な発想でいたのですが、「苦手だと思っていた野菜を自分で収穫したことで美味しいと感じる。そこから彼らの可能性が広がるようなものを収穫してもらいたい」と言われ、ハッとしました。農業的視点だけでなく、福祉法人としての視点を大切にしなくてはと改めて実感した出来事でした。

あなたにとって「ユアフィールドつくば」はどんな場所ですか?
「たどり着いた場所」だと思っています。グローバルからローカルへ、都会から地方へと、長年ずっと軸足を移したいという思いがありました。そしてやっぱり、子どもの頃に住んでいたつくばが好きなんだということに気づいて、その先にユアフィールドつくばがありました。
法人の理念の一つである「包摂」は誰でも受け入れるということで、理念だけでなく組織の文化として自然に根づいていることが、ユアフィールドつくばの一番好きなところです。利用者さんも職員も、様々なバックグラウンドを持った人それぞれが自分の居場所を持てている。「ユアフィールド」という名前がまさにそれを体現していると思っています。
この頃、家族からは以前と出勤前の顔が全然違うと言われます。以前は朝からその日一日のタスクのことを考えていて、一言も声をかけられないような顔をしていたそうですが、今は幸せそうに見えるのか「本当に良かったね」と言ってくれています。自分自身も仕事と遊びの境界がなくなってきて、日常の延長に仕事があるように感じています。そして毎朝、筑波山を見ながら出勤できることがとても幸せです。
